日本人初!滋賀県出身アスリートの100m9秒台を支えたスターターに学ぶ仕事の姿勢
こんにちは。2020年東京オリンピックを前にしてスポーツ観戦に熱が入っている方も多いのではないでしょうか?さて、今月に入ってこんなニュースが飛び込んできました。
「陸上男子100m 桐生が日本選手初の9秒台」
この桐生選手、滋賀県出身なのです。エースコーポレーションと同じ滋賀県つながりということで、とても嬉しく思います!
勝利の影にはそれを支えた人が
それに関連して、朝日新聞にこんな記事を見つけました。
「 9秒台支えた、地元スターターの職人魂 見事に強風回避」
http://www.asahi.com/articles/ASK9C6JMXK9CPTQP00X.html
日本選手初の9秒台は、強風の福井で出た。その裏には、地元のスターターの執念と職人魂があった。
(記事より引用)
桐生選手が出場する競技でスターターを努めた福岡渉(わたる)さん。
スターターとして長年磨いてきた技と勘で絶妙なタイミングのスタート合図を出し、日本人初の100m9秒台という快挙に貢献した、そしてその裏には「この地で絶対に9秒台を出してほしい」という執念があった、という内容です。
目立たない存在。でもその役割がとても重要
陸上短距離の記録は、選手がそれまで積み重ねてきた努力、持ち前の能力、指導者の実力の上に成り立っていることはもちろんですが、
それ以外にも風、土地、スターター、いろいろな要素が複雑に絡み合って生まれるものといわれています。
陸上短距離競技のスタートは「セット」の掛け声の後のピストル音に反応し、スタートするというルールがあります。
ではピストル音が鳴らされるタイミングはいつなのでしょう?それは最終的に「スターター」と呼ばれるスタートを指示する役割の人によって決定されています。
このスターターの役割がとても重要。
というのは陸上短距離競技では、スタートしてからゴールするまでに吹いた風速の平均値が秒速2.0メートルを越える場合、その記録は公認記録とならず、「参考記録」となります。
つまり、スターターがいつスタートの合図を出すか、それによってはせっかく出た記録が「公認」ではなく「参考」となってしまう可能性があるのです。
桐生選手は絶妙の好条件でスタートした
記事によると、桐生選手の出場したレース時の風速は、2.0メートル/秒をぎりぎりで下回る1.8メートル。無風でもなく、公認上限の追い風を少し下回るだけ、という好条件でした。
実は前日の予選、準決勝のレースはすべて参考記録であり、決勝の10分前にあった女子100メートル決勝も追い風2.3メートルが吹き、公認記録とはならなかったという経緯があったそうなのです。
男子決勝の号砲を鳴らす福井陸協の主任スターター、福岡渉さん(わたる、46)はあきらめていなかった。
「福井で公認の9秒台が出てほしい。風のやむときもあるやろう」。女子決勝のレース前から50メートル付近にある吹き流しを注視していた。すると、風に一定のリズムがあると分かった。強風が吹いて、弱まる。すぐまた強風が吹いて、少し長い間弱まる。この繰り返しだった。「よし」と、福岡さんはイメージトレーニングを重ねた。
(中略)
いざ本番。吹き流しを見て、2度目の強風のときに「オン ユア マークス(位置について)」と告げた。そして「セット(用意)」のあと、ピストルを鳴らした。その瞬間、計算通り風は弱まっていた。
(記事より引用)
「オン ユア マークス」から号砲まで計算どおりのタイミングで事を進めた福岡さんの職人技によって、スタートの瞬間の風は思惑どおりに弱まり、桐生選手は絶好のスタートを切ることができた、ということです。
勝利を支えた脇役。仕事の世界でも同じです。
スターターは自分が競技に出るわけでもなく、競技の脇役です。でもその脇役の長年培ってきた確かな技術と鋭い視点により、このような偉業がなされたのですから、その存在は主役級に値するといっても過言ではないでしょう。
仕事の世界でも同じです。
自分は会社の中の小さな役割を担う1人かもしれませんが、その自分の小さな働きがなかったら、大きな業績にはつながらないかもしれません。
たとえどんな仕事をするとしても自分の仕事に誇りと執念を持ち、どんなことでも腕と技を磨いていきたいものですね。
プロスポーツの世界から学ぶことは本当に多いです。自分の仕事や生活にも活かせるようにがんばりたいと思います!