滋賀県が誇るブランド牛、「近江牛」を堪能しよう!


日本を代表するブランド牛、「近江牛」。きめ細やかな肉質ととろけるような食感を生み出すサシが特徴で、海外旅行客からも人気です。実はこの近江牛、和牛の中でも一番歴史が深く、かつては薬としても用いられていたのだとか。滋賀県の男性の平均寿命が全国1位である理由の一つにも、和牛の産地ならではの手軽に牛肉を食べられる環境があげられています。そこで今回は、滋賀県の道の駅やスーパー、精肉店では、お値打ち価格で手に入る近江牛の歴史と魅力をご紹介します。

「桜田門外の変」の原因は、実は近江牛!?

日本全国に和牛の産地は多々あれど、400年以上という圧倒的な歴史を有するのが近江牛です。史実によると、江戸時代前期には、彦根藩で「反本丸(へんぽんがん)」という名の牛肉の味噌漬けや干し肉が考案され、薬として売られるほか、牛肉愛好家で知られた水戸の徳川斉昭など将軍家にも献上されていました。実は、当時肉食はタブーとされていて、幕府からも牛の殺生は禁止令が出ていたほど。牛肉の味噌漬けや干し肉は、牛皮を幕府に納めるため特別に認められていた彦根藩の裏メニューだったようです。ところが、熱心に仏教を学んでいた彦根藩藩主である井伊直弼は、ある時、藩内の牛の殺生を禁止し、徳川斉昭から三度来る牛肉の味噌漬けの催促も断り続けた結果、食べ物の恨みから、水戸藩士襲撃による「桜田門外の変」で命を落としたという面白い逸話が残っています。真実は定かではありませんが、そんな逸話が残るほどまでに美味しい近江牛の味噌漬けは、彦根の近江牛専門店などでいただけます。

あえて飼育数を減らして、おいしさを追求

滋賀県全域で飼育されている近江牛ですが、飼育頭数は年間わずか6000頭あまりなのだとか。これは、一頭一頭、生産者が心を込めて育てられるようあえて制限しているそうです。芳醇な香りと、きめ細かな肉質、そして甘くとろけるような脂が特徴で、焼肉でもステーキでもさっと焼いてシンプルに岩塩でいただくと、近江牛の美味しさがよく分かります。そしてなんといっても、滋賀県内ならお値打ち価格で近江牛が手に入るのも嬉しいところ。イオン草津店、道の駅草津ほか、街の精肉店、道の駅などで購入することができます。

徳川斉昭も愛した、近江牛の味噌漬けレシピ

材料:2人分
・近江牛サーロインブロック 400g

<味噌漬け用タレ>
・水  100cc
・酒  100cc
・濃口醤油 大さじ1 1/3
・薄口醤油 小さじ2
・みりん 小さじ1
・白味噌 430g

作り方:
1. 鍋に<味噌漬け用タレ>の白味噌以外の材料をすべて入れ、沸騰したら火を切りさます。
2. 1に白味噌を入れ、しっかりまぜる。
3. 牛肉を2に2日程度漬け込む。
4. 味噌を軽くとった近江牛をクッキングシートを敷いたフライパンの上に置き、蓋をして弱火でゆっくり焼く。
5. 好みの焼き加減になったら、1.5cm程度に切って盛り付ける。

<まとめ>

いかがでしたか?春は時節柄特に気持ちの浮き沈みが激しい季節。なんとなく気分が落ち着かなかったり、不安になってしまったりする人も多いのではないでしょうか。実は牛肉には、幸せホルモンと言われるセロトニンの合成を促すトリプトファンや至福物質アナンダマイドの素となるアラキドン酸が豊富に含まれていて、今の時期にぴったり。美味しくて、ハッピーにもなれる近江牛をぜひみなさんも楽しんでください。