夏に行きたい!“涼”を感じる、滋賀県のおすすめ水辺スポット
梅雨が過ぎれば、いよいよ夏。海や山のレジャーが楽しい季節ですが、このところ暑さ厳しい日本の夏は、「出かけるなんて疲れるだけ」という人も多いのではないでしょうか?そこでおすすめなのが、日本の原風景が今に残る滋賀県の水辺スポットです。「水文化」が日本遺産にも認定されている滋賀県には、琵琶湖をはじめ古来より人々の暮らしとともに息づいてきた、素晴らしい水辺があります。そこで今回は、そっと吹き抜ける涼やかな風や水音を感じながら、ゆったり日本の夏を楽しめる、滋賀県のおすすめ水辺スポットをご紹介します。
水郷の里 伊庭町(東近江市・すいごうのさと いばちょう)
滋賀県に残る水郷集落のひとつ。かつて、水田へ水を流し、「田船」を浮かべて肥料などを運んだ水路が今も町中を縦横に巡り、人々の暮らしを支えています。清らかな水の中を泳ぐ鮮やかな錦鯉の姿も、昔と変わらぬ伊庭町の原風景です。近くには、東近江市の当時の暮らしぶりが分かる「能登川博物館」をはじめ、伊庭内湖の島にある「能登川水車とカヌーランド」などがあり、カヤックやカヌー、ペダルボートなど水辺のアクティビティも楽しめます。
針江生水の郷(高島市・はりえしょうずのさと)
2004年にNHKハイビジョンスペシャルで放映された映像詩「里山・命めぐる水辺」の舞台にもなった水辺の里。その撮影者であり、針江に魅せられた写真家・今森光彦さんは、琵琶湖をのぞむ田園にアトリエを構え、今も「里山」を撮り続けています。現役で使われている水路には、「川端(かばた)」と呼ばれるシステムがあり、食器を洗う人と食べかすを餌に生きる鯉や小魚の共存など、水を美しく保つ昔ながらの知恵がそこかしこに息づいています。
中山道 醒井宿(米原市・なかせんどう さめがいじゅく)
江戸時代、中山道の61番目の宿場町として栄えた、美しい小さな町。夏には、町に流れる清流・地蔵川に、「梅花藻(バイガモ)」と呼ばれる珍しい水中花が咲き、県内外からその涼やかで可憐な姿を一目見ようと人々が訪れます。地蔵川の上流にある「加茂神社」の境内脇には、古事記や日本書紀にも登場する「居醒の清水(いさめのしみず)」と呼ばれる源泉が湧き出ており、ヤマトタケルノミコトを病から救った霊水とも言い伝えられています。
菅浦の湖岸集落(長浜市・すがうらのこがんしゅうらく)
奥琵琶湖の隠れ里として、今も昔懐かしい漁村の風景が広がる集落。国の重要文化的景観にも選定されたこの集落には、中世にまでさかのぼる水辺の暮らしが今も残り、随筆家白洲正子さんも著書「かくれ里」の中で、その美しさを紹介しています。四季や時間によって姿を変える湖岸の風景は、幾度となく足を運ぶ価値ありです。
<まとめ>
いかがでしたか?今も脈々と受け継がれている滋賀県の「水文化」。夏の暑さを涼やかに癒してくれる滋賀県の水辺からは、歴史を辿ることもできます。食や水を知ることは、その土地を知ることにも繋がります。ぜひ涼をとりながら、訪れた土地の歴史にも思いをはせてみてくださいね。