日本の人材派遣の歴史



働き方の選択肢のひとつとして派遣は今や当たり前の時代です。しかし、もともと日本では「終身雇用(同じ企業で定年まで雇用され続けること)」や「年功序列(勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を引き上げる人事制度)」といった制度が主流でした。このような日本で派遣という働き方はいつから始まり、どのような歴史を経て今に至っているのでしょうか?

派遣という働き方はいつ生まれたの?

世界で一番最初の派遣は1948年にアメリカで始まったといわれています。企業で必要な人材に欠員が出たことをきっかけに、ある会社が始めたサービス。それが、必要なポジションに適切な人材を提供する人材サービスだったといわれています。

もっと古くから人材派遣業は行なわれていた??

実は日本ではそれ以前にも労働力の派遣を行なう「人貸し」というサービスが存在していました。しかし、このころは労働者にとって劣悪な環境で、又貸しのような二重三重派遣が行なわれていたり、不当な中間搾取などが平気で行なわれていたようです。これらが問題となり、国が職業紹介についての法令を定めるようになったと言われています。

最初は「請負」だった人材派遣

その後、1966年には日本で人材派遣会社が設立され、日本の人材派遣の歴史が始まりました。
ただ、当時の日本では人材派遣という業態自体が認められていませんでした。そのため、自社で雇用している社員を自社で指揮命令して依頼先の発注内容に応えるという、今でいう「業務請負」の形をとっていたそうです。

労働者保護を目的としてどんどん改正される労働者派遣法

その後、人材派遣に関する法律も少しずつ整備されていきます。1986年には労働者派遣法が施行され、日本でビジネスとして人材派遣事業を行なうことが可能になりました。最初は人材派遣として派遣できる職種は限られた13業務のみ。ソフトウェア開発、事務用機器操作、通訳翻訳、秘書など限られた13業務に限って派遣が可能だったそうです。

1996年には派遣として働くことができる適用対象業務が専門的26業務に拡大され、1999年には対象業務が原則自由化。2000年には紹介予定派遣が解禁され、さらに2004年には製造業で派遣業務が解禁となります。時が進むごとに、次々と派遣の働き方が拡大されていくのがわかりますね。

時代に求められる人材派遣という働き方

派遣で働く人の数は近年どんどん増え続けているといわれています。人材派遣が普及してきた背景は何でしょうか?

バブル崩壊以降、年功序列、終身雇用といった日本独特の雇用の在り方が問われ正社員のリストラが目立つようになってきた時期がありました。そこで企業が求めたのが派遣社員です。必要な期間、必要なポジションに労働力を充当できるのは企業にとって大きな魅力だったのかもしれません。

それに加えて、働く側の意識の変化があります。最近は正社員以外の多様な働き方を選択しやすい風潮がありますね。様々な価値観が認められる時代になってきたことや女性の社会進出、少子高齢化などとも関係があるのかもしれませんね。

自分の能力、特性、専門性を生かして働きたい、ある一定の期間だけ働きたい、ライフスタイルや価値観に合わせて働きたい、など仕事に対する個人の希望はいろいろですが、派遣ならそんな働き方が可能です。少し前までは派遣というと雇用が不安定、などというマイナスなイメージがあったかもしれませんが、今や自ら選択する人も多いワークスタイルなのです。

まとめ

日本で派遣労働が正式に始まってから30年余り。意外と歴史は浅いですが、このわずかな期間に法律も整備され、派遣会社も次々と生まれています。派遣先企業と派遣スタッフのための様々なサービスも派遣会社ごとに多様に提供されています。派遣という働き方が社会に必要だからこそ今まで続いてきたことは間違いありません。人材派遣会社エースコーポレーションも、これからも社会とスタッフの皆さんに必要とされる存在でありたいと願いながら日々頑張っています!