2015年4月に派遣スタッフを取り巻く環境が変わる!?派遣法改正の超簡単ガイド
よく耳にするようになった「派遣法改正」という言葉。「なんだか難しい言葉が多くて全然頭に入ってこない」というあなたのために、分かりやすい言葉で簡単にまとめました。誤解を恐れず、シンプルに説明しています。
派遣法改正はいつ?決定はしてないの?
派遣の仕事をしている人や派遣会社に関係する方はよくご存知の場合も多いと思うのですが、意外にもなかなか派遣法改正についてちゃんと理解できずに、もっと分かりやすく説明してほしいという方が多いです。 施工時期としては「2015年の4月に改正法案のスタートを目指す」という状態です。「目指す」という不確定要素があったり、11月5日に衆議院の厚生労働委員会で実質審議が始まったということで、具体的な詳細は決まっておらず、法律を変える動きがある、という状況だからかもしれませんね。
なぜ派遣法の改正が必要なの?
実は、今の労働派遣法は2012年に改正されています。この時は、派遣スタッフとして働く人達を守り、長期的な雇用を促進することをテーマに法律を改正した、ということになっています。派遣法改正後、派遣業界では当初の目的に合わない、いろんな支障がでてきました。その支障を改善しようということで、現在、派遣法改正案について話し合われています。
厚生労働省ホームページにこの2012年に行われた派遣法改正について詳しく紹介されていますので、正しく理解したい方、ご興味のある方はご覧になってみてください。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/
今回の派遣法改正でどんなことが変わるの?
どんなことを変えようか、ということを具体的に話し合われているのですが、究極的にシンプルに説明すると以下のとおり。
狙い
派遣スタッフとして働く労働者を守ること。
内容
1.同じ職場で派遣スタッフとして仕事ができる期間を3年以内にする
2.派遣期間の制限がなかった専門26業務(※)を廃止し、派遣期間はどんな仕事も3年以内にする。
※専門26業務とは
デザインや通訳、映像編集、機械設計、情報システム開発、事務用機器の操作、財務処理など、仕事内容が個人の技能や知識に大きく影響をうけるような仕事については、派遣期間の制限がありませんでした。このような仕事によって特例を与えることをやめようという動きになっています。
派遣スタッフとして働いている人にとってのメリット・デメリット
2015年4月の施工を目指す派遣法の改正では、実際問題として考えた場合に、働く派遣スタッフにとってのメリットになるケースと、デメリットになるケースと大きく分かれると予想されます。だからこそ、「賛成」の意見もあれば、「反対」の意見も出ています。
メリット
企業側が3年間働いてくれた派遣スタッフAさんと今後も仕事をしてもらいたいと思えば、直接就業先企業に長期的に働くことを前提として雇用してもらえます。こちらが法改正で狙っている結果です。これで、不安定な有期雇用の人を減らして、安定した長期雇用で働ける人を増やそう!と考えられています。
デメリット
3年間頑張って働いていた派遣スタッフBさんは、とても優秀で仕事も出来て就業先企業での評判も抜群ですが、企業側で長期雇用することができないと判断した場合は、別の派遣スタッフさんと交代せざるを得なくなります。つまり、派遣スタッフBさんも会社もこのまま仕事を継続したいと思ってもこの会社での仕事を続けることができません。(別の仕事が見つからなかった場合は失業してしまうという最悪の場合も考えられます。)
法律と合わせて社会や企業も変わらなければいけません。
上記の通り、派遣法を改正した場合、安定した仕事を手に入れられる場合と、残念ながらせっかくの仕事を失ってしまう場合が考えられます。本当は、派遣スタッフとして働く方に安定した仕事を提供することを狙いとして派遣法改正を推進しているはずですが、実態としては、就業先企業の状況や、社会全体の考え方、経済状況などの問題によって(派遣スタッフさんの仕事がなくなってしまうという)狙いとは逆の結果をもたらすことも懸念されています。
企業側も世界の中で競争力のある会社として生き残るために必死で緊張感のある経営をしています。とは言え、これまでも紹介予定派遣などの仕組みを活用しながら派遣スタッフとして働いた方を積極的に直接雇用されている会社もあります。法改正にあたっては、各企業や社会全体の考え方が変わるかどうか、そのあたりを注目しておく必要がありそうですね。
ぜひとも、現在派遣スタッフとして頑張っている皆さんのためになり、また業績維持&向上のために頑張っている企業様のためにもなる法律として施行されることを期待したいと思います。