その敬語、実は間違っています!正しい言葉で好印象を与えよう
日本語が難しいといわれる原因の一つ「敬語」。語尾に「です、ます」をつけるだけでも十分丁寧なのに、尊敬語や謙譲語など、複雑な言葉遣いが、ビジネスシーンでは特に必要になります。実は、日頃何気なく使っている敬語には間違いも多く、自分は正しい敬語を使っているつもりでも、相手は内心「失礼な!」と立腹している可能性も。そこで、今回はビジネスシーンで特に間違いやすい敬語と正しい使い方をご紹介します。
まずは、敬語の種類を確認しよう
敬語には、3つの種類があります。話す相手や自分の立ち位置、場面など、状況に応じて使い分ける必要があります。また、正しい敬語でも重複して使っている場合は間違いになります。そのあたりをしっかり頭に入れながら、正しい敬語を使いましょう。
■敬語その1
「丁寧語」
一般的に、相手や内容にかかわらず、丁寧に述べる際文末に「です」や「ます」をつける言葉です。相手が対等な立場や、逆に部下や後輩といった間柄でも使われます。
■敬語その2
「尊敬語」
相手を立てたい時に目上の人を敬う表現として使われます。敬語の対象となるのは、行為を行っている相手です。例えば、「来る」という行為を尊敬語に直すと「いらっしゃる」「お越しになる」という表現になります。
■敬語その3
「謙譲語」
相手を立てたい時に、自分をへりくだる表現として使われます。敬語の対象となるのは、自分自身です。例えば、「来る」という行為を謙譲語に直すと「参る」「伺う」という表現になります。
こんな敬語はNG!間違いやすい敬語とは?
一見正しそうに見えて間違っているもの、一般的に正しいと勘違いされているものなど、普段使っている敬語が正しいかどうか、一度チェックしてみましょう。
挨拶偏
・ご苦労さまです
「ご苦労さま」は、「苦労をかけたね」「大変だったね」と目上の人が目下の人をねぎらう言葉です。そのため、目上の人に使うのはNG。状況に応じて、「ありがとうございます」や「お疲れさまです」「お帰りなさい」など、失礼にならない言葉を使いましょう。
・お体をご自愛ください
「ご自愛」という言葉には、「お体を大切に」という意味が含まれます。重複敬語になるので、シンプルに「ご自愛ください」で大丈夫です。
・厚くお詫び申し上げます
一見間違っていないように感じますが、「厚く」は感謝の意を述べる時など、良いことに使う表現なのでNG。お詫びの場合は「深く」を使い、とても反省している気持ちを伝えましょう。
日常会話偏
・了解しました
日常的に使われている「了解」ですが、本来、同僚もしくは部下など目下の人に対して使う表現です。上司や目上の人には、「承知しました」を使いましょう。
・おわかりいただけましたでしょうか
「おわかり」や「いただけました」など、一見丁寧な言葉遣いに思えるこちらも、相手を上から見下ろすニュアンスがあります。「何かご質問はありませんか?」「ご不明な点はありませんか?」など、相手を敬う、やわらかい表現に変えましょう。
取引先やお客様との会話偏
・上司に申し上げておきます
社外の人や取引先と話す場合は、例え上司であっても敬語は使いません。この場合謙譲語を使って自分がへりくだり「上司にも申し伝えておきます」などが正解です。
・おっしゃられる通り
使いがちな二重敬語です。「おっしゃる」だけできっちりとした敬語なので、「られる」までつける必要はありません。「おっしゃる通り」が正しい使い方です。
・お休みをいただいております
外部からの電話に、こう答えている人も多いのではないでしょうか?「いただく」は自社に対する敬意の表現にあたるため、この場合は「本日休みをとっております」が失礼のない表現です。
<まとめ>
いかがでしたか?知らず知らずに間違った敬語を使い続けていたなんてこと、よくありますよね。実際に、当たり前のように使われている間違った敬語も多く、相手も気づかない場合もあります。でも、間違った敬語に違和感を感じる人も少なくありません。きれいな言葉遣いは、相手に好印象を与えます。自分の敬語を意識することも、自分磨きに繋がりますよ。