夏の暑さも思わず忘れる!?怪談話に出てくる、滋賀県の妖怪あれこれ


夏と言えば「怪談」、ですよね。この日本の文化ともいえる夏の風物詩は、歌舞伎がその昔夏の「涼み芝居」として、幽霊が登場する演目を加えたことがはじまりだそうです。背筋が凍るような鳥肌ものの怪談話や怨念や執念にまみれた妖怪話など、怖いもの見たさでついつい聞いたり、読んでしまう人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな滋賀県に伝わる怪談話に登場する妖怪をご紹介します。読んでしまったが最後、妖怪に目をつけられてしまうかも!?しれませんよ。

■油赤子(あぶらあかご)

夜になると大津辻に現れて、お地蔵さんの常夜灯の油を盗んでは売っていた泥棒が、死後成仏できずにこの世にとどまった火の妖怪。江戸時代に書かれた「諸国里人談」や「本朝故事因縁集」に登場し、江戸時代中期の浮世絵師・烏山石燕妖怪画集「今昔画図続百鬼」にも描かれています。油赤子は火の玉の姿で家の中にしのび込み、油を舐めて出ていくそう。もし、急に油が減ったり無くなったりした時は油赤子かも。

■砂ほり婆(すなほりばばあ)

「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する有名な「砂かけばばあ」ならぬ「砂ほり婆」が滋賀県には住み着いているらしいのです。砂ほり婆は、草津市や栗東市、東近江市や八日市市など、昔から湖東の竹藪や笹薮、川などに住んでいて、姿は見せず傍を通る人の上からサラサラと砂を「放る」のだとか。湖東の人気のない場所は、砂ほり婆に気をつけて!

■目玉しゃぶり(めだましゃぶり)

日本三名橋の一つに数えられ、夕景の美しさでも知られる「瀬田の唐橋」。ここに出るといわれているのが、「目玉しゃぶり」。この妖怪は、男を惑わすほどに魅力的な美女で、橋の上を通る旅人に声をかけ、橋のたもとで待つ友人に絹に包んだ小さな箱を届けてほしいと頼むそう。ただこの箱、絶対に開けてはならず、開けたが最後、その旅人は命を落としなぜかその遺体からは目玉がくりぬかれているのだとか。箱の中身はくりぬいた…。

■ケサランパサラン

妖怪は恐ろしいものばかりではありません。ふわふわ風とともにやってきて、人々に幸運を運んでくる妖怪が、1980年代、相次いで長浜市、米原市、彦根市辺りで目撃されています。人々はこの白くてふわふわとした妖怪を「ケサランパサラン」や「狐の毛玉」などと呼び、白粉の中に入れて大切に保管したそうです。今も時折出会うことができるというこの妖怪、粗末に扱うと火難を被ることもあるので注意!

 <まとめ>

いかがでしたか?歴史深い滋賀県には、面白い妖怪たちの怪談が残っています。妖怪は姿を見せることもありますが、物陰からこっそり機会をうかがって、人を困らせては喜ぶいたずら好き。神隠しのように物が無くなったり、急に砂や水をかけられたり、知らない人に変な頼み事をされた際はお気をつけて。うだるように暑い夏にうってつけの、ヒヤッっと恐ろしい滋賀県の怪談話、まだまだたくさんあるので、ぜひ調べてみてくださいね。